森はよみがえる〜37年間、一人で木を植えた男

インド、アッサム地方にマユイという河口の島があります。ここはかつて洪水ですっかり荒れ野になりました。照りつける日差しを避ける木陰のひとつもなく、干からびて死んだ蛇の残骸があるばかりでした。
ここに毎日のように通う男性がいました。出掛けるとき、彼は右手にバッグを持っていますが、そのバッグに何が入っているのか誰も知りませんでした。
彼の名はジャダブ。このマユイに生まれ育ち、その変貌ぶりをずっと見ていました。
バッグの中味は苗木で、彼は手作業でこの荒れた土地に木を植え続けていたのです。
そのルーティンワークは37年に及びました。バッグに入るサイズの苗木は樹木となり、ニューヨークのセントラルパーク以上の広大な森になりました。よみがえった森には鳥と動物たちが戻って来ました。鹿やサイやトラもいれば、ゾウの群れまでも棲んでいます。そうして2008年になって初めて、インド当局は彼の仕事の成果に驚いたといいます。

「人びとのことを広く深く思いやる、すぐれた人格者の行いは、長い年月をかけて見定めて、はじめてそれと知られるもの」とは、ジャン・ジオノの著書『木を植えた男』のテーマです。しかしながら、美しい森と幸福な村を得て終るこの絵本はあくまでフィクションであり、現実として、インドのこの素晴らしい森は近隣住民にとって材木を採れる場所に過ぎません。一人の努力で森がよみがえって、それでめでたしめでたしとはいかないのです。

けれども、インドのある地方の話は今ここで語られるほど有名なエピソードになったのだし、感銘を受けた人にとってはジャダブはヒーローでしょう。37年前にこの荒れ地に来た彼は独りぼっちでしたが今では、彼はユネスコにも働きかけ、彼を取り上げたドキュメンタリー番組が賞を取りました。いわば森の代弁者であるジャダブは、今度は森に対する意識の苗木を植え続けているのです。初めて すぐに お金 借りたい